中古マンションの売却をしようと考えて、仲介会社に査定依頼をしてみたら、思っていたよりも高い査定額が出たな、という人もいるのではないでしょうか。

査定額を安くしたほうが、仲介会社も売りやすそうなのに、なぜ仲介会社の査定は高く出たのでしょう。

この記事ではそんな人に、仲介会社の査定額はなぜ高く出たのかを解説していきます。

査定額と実際に売れる価格

仲介会社が出した査定額が自分が思っていたよりも高いと、うれしい人は多いと思います。

しかし査定額とは、あくまで仲介会社が媒介契約を取るために査定して出した金額であって、実際に売れるであろう金額とは異なることがあります。

実際に売れる価格とは

一般的な中古マンションは、ある程度築年数が経過している物件であれば過去に売りに出され、成約した実績のあるマンションがほとんどです。何度か売買履歴のあるマンションであれば、そのマンションの相場が形成されており、いままで売れてきた実績のある成約価格から大きくブレることは少ないです。

その成約事例がいつなのか、何件あるのか、によっても精度は変わりますが、1年以内の成約事例が数件あるとするならば、その成約価格(坪単価計算)で考えたときにプラスマイナス10%前後で成約する可能性がとても高いです。

仲介会社の出す査定額とは

仲介会社が出す査定額とは、あくまで「査定額」です。

様々な思惑のある「査定額」なため、思っていた金額より高い査定額が出たとしても参考程度に考えるとよいでしょう。

本当にその金額で売れたならラッキーぐらいの感覚です。

なぜそう考えたほうが良いかというと、仲介会社の出す「査定額」は買取金額ではなく、うちからこの金額で売りに出せば売れる可能性がありますよ、という金額が「査定額」となるためです。

査定額を高くすることによって売却意欲を促す

査定を依頼した時点では売却意欲が高くなかった人でも、実際に査定に出してみたら思っていたよりもよかった、となれば、現実的に売却を考える人も出てくるはずです。

仲介会社は売却意欲がそこまでなかった人でも、実際に査定に出す、ということは大なり小なり売却を検討している可能性があると考えます。

そのような人が依頼してきた査定に現実的な金額で査定書を返しても、ふーん、で終わる可能性が高いため、仲介会社は一縷の望みをかけて、非現実的な高額査定を依頼者に対して行うことがあります。

そこで、「その金額で売れるなら売ってみようかな」となればこっちのもの。話が進みさえすれば、物事は動き出します。

その後、少しの間売れなくても依頼者は売却のスイッチがすでに入っているため、仲介会社からもう少し価格を下げたら売れそうですよと報告されると、仲介会社の言う通りもう少しだけ下げてみようかなとなり、結局は相場通りで着地する、という流れになります。これが査定額が高く出るパターンの一つとなります。

この仲介会社に依頼すれば他の仲介会社よりも高く売れると思わせる

先に述べた通りで、中古マンションはおおよそ相場が出来上がっており、その時々の状況等でその相場のプラスマイナス10%程で着地することが多いです。

しかし、そんな現実的な話を受け入れてくれる査定依頼者は多くありません。

査定依頼の段階では、ほとんどの人が自分がネットで調べた相場よりも高く、どの事例よりも高く売りたい、と考えています。

そんな査定依頼者に対して、仲介会社は弊社で売却をすれば、こんな実績があり(奇跡の一撃)、多くのお客様から信頼を得ているので、弊社から売りに出せば、他の会社では難しいけども、その希望の価格で売れますよ、と査定依頼者に対してアプローチします。

売却依頼主がその会社を昔から知っているのならばなおさら、納得しやすくなるため、結果的に高い査定額となります。

売却依頼者が媒介契約前に他の仲介会社に売却相談したときに安い、と言われるのを防ぐ

中古マンションの売却を考えたときに1社だけの査定では、その査定額が正しいのか、安すぎたりはしないのかなど、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

慎重な人はその金額が果たして本当に正しいのか、だまされていないかを知りたくて、ほかの仲介会社にも査定を依頼するかもしれません。

もし、そのような行動を売却依頼者がとった場合、少しでも安く査定をしてしまうと他社の査定で「弊社の査定ではもう少し高く売却できますよ」と言われてしまうかもしれません。

そうなると売却依頼者は、やっぱりそのまま売却を進めなくてよかった、こっちの会社のほうが高く売れるならこっちの会社に依頼しよう、と考えるわけです。

そうなってしまったら1社目の仲介会社は売却依頼者と媒介契約を結んでもらえなくなってしまい、困ってしまうため、はじめから高い金額で査定を行います。

一括査定で受けた査定の場合、他社よりも査定額が低いと依頼主に相手にしてもらえない

最近流行りの不動産売却一括査定。様々な一括査定サイトがありますが、中古マンションの売却を考えている人の中には、このサービスを使おうか検討している人もいるのではないでしょうか。

このサービスでは一般ユーザー向けに販売していきたいパターンと、買取業者に買い取ってもらった場合のパターンを同時に行うことが多いです。

一般ユーザー向けの査定

各社、とにかく高く査定書を作って売却依頼者にアプローチしがちです。

物件によっては、その中でもとびぬけて高額査定を行ってくる会社もあるかもしれませんが、一般向けに販売する一括査定で一番高い査定金額のまま売却が決まることは稀です。

もし、その査定金額で売れたとしても、売れるまでに1年以上かかることもざらだったりします。

現況が空室で販売期間がいくらかかってもいい、という状況なのであればその金額でスタートしてもよいかもしれませんが、相場が下がっているようなエリアの場合はそのまま、いつまで経っても売れません。他に安い物件がいくらでもあるからです。

一括査定の場合は多くの業者(ライバル)の中から媒介契約を取らなければならないため、どれだけ高く査定書を作っても媒介契約が結べないこともあります。それならばと逆に3か月程度で売れそうな適正価格で査定書を作成してくる会社もあると思います。

一括査定でおすすめの売り方は各社の査定額を見てから、金額が低すぎないことを確認して、適正価格を提示してきた会社から売り出すことです。

個人的にはそんな会社の担当者のほうが信用できます。一番依頼者のことを考えていると思いますしね。

空室であればまだしも、居住しながらの売却はとても疲れます。

結局、すごく高い金額で売りに出しても売れないことがほとんどです。

そのすごく高い金額で売りに出している時間は無駄になりますから、はじめから適正価格の少し上ぐらいで売り出すとよいと思います。

仲介会社経由の買取向けの査定

買取向けの一括査定は話が変わります。

その理由は、買取会社が出した金額は実際にその会社がその物件に払える金額を提示するからです。

一方で、一括査定の買取案件は買取業者としては、あまりいい案件ではありません。理由はどれだけ頑張って査定をしても買取に至らない確率が高いからです。

例えば一括査定サイトで選ばれた仲介会社5社が買取業者に各社20社ずつ査定依頼をした場合、買取業者100社で競合する案件となります。

単純な計算でも買取業者が買い取れる確率は100分の1ですし、もしもその中の100分の1となった場合でも、もっとも高い金額で購入するわけですから、転売した時の利益が見込めません。

要は買っても、ものすごく利益が低いか、または赤字のリスクが高い案件となってしまうので、積極的にはやりたくありません。

それでもそれだけの数の買取業者が金額を提示してくれば、一番安い業者と一番高い業者とでは数百万円の差が開きが出ます。

そのような状況では、依頼者が買いたたかれていることもありませんので一番高く提示してきた業者に売却すれば時間をかけずにすぐに売却することができます。

まとめ

ここまで「仲介会社の査定額はなぜ高く出るのか?」の仕組みを解説してきました。

仲介会社も本当ははじめから適正価格で販売をしていきたいとはずだと思いますが、ここまで解説してきたように、様々な理由から査定額を高くしなければいけない理由をご理解いただけたかと思います。

中古マンションの売却はあまり欲張りすぎずに、適正価格でスムーズに進められるとよいでしょう。

ぜひ、この記事を参考に中古マンションの売却活動をしてみてください。